お花の命は、短いからこそ美しい。
生花のお花ギフトは、その儚さがあるからこそ喜ばれるという考え方もあります。
ただ、せっかくの記念のお花ギフトだからこそ、美しさが長くつづく贈り方はないものかと探す方もいらっしゃるでしょう。生花の花束やアレンジメントと楽しみ方が異なりますが「枯れないお花」をプレゼントするというのも喜ばれるお花ギフトの形です。
いろいろあった「枯れない花」のお花ギフト
今回は「枯れない花」の定義を、生花のかわりにプレゼントとして贈ることができる植物の形をしているものとしました。
生花を加工した枯れないお花もあれば、生花にとてもよく似た造花もありますね。この定義に当てはめると、ある意味ではドライフラワーも枯れないお花の仲間と言えそうです。それでは、代表的なものをご紹介していきます。
「生花」から作られる枯れない花
プリザーブドフラワー
生花を特殊加工して美しさをとどめたものが「プリザーブドフラワー」
ドライフラワー・スワッグ
生花を乾燥させて美しさをとどめたものとして「ドライフラワー」と「スワッグ」があります。
ハーバリウム・花標本
プリザーブドフラワーやドライフラワーをオイルにつけて長期間たのしめるのが、最近流行中の「ハーバリウム」「花標本」。
布などの人工物から作る枯れないお花
アーティフィシャルフラワー
精巧につくられた造花は「アーティフィシャルフラワー」「シルクフラワー」という種類になります。また、アーティフィシャルフラワーの手法でつくられた観葉植物のインテリアのことを「人工観葉植物」と呼び、フラワーアレンジメントの変わりに飾る方も増えています。
石けんから作る枯れないお花
ソープフラワー
石けんを花びらの形に加工してつくったお花があり、「ソープフラワー」や「シャボンフラワー」と呼ばれています。
生花を材料としてつくられたお花ギフト
プリザーブドフラワー
「プリザーブドフラワー」は、生花の水分を抜き、特殊な薬剤に浸し加工することで、生花と同じような手ざわりや風合いが長続きするようにしたお花です。
生花と同じように、花束やアレンジメントにすることができ、水やりなどのお世話の必要もないのが魅力です。ウェディングブーケが火付け役となり、近年は、生花のかわりにいろいろな場面でつかわれるようになりました。生花よりも美しさが長続きしますが、材料は生花なので永遠に美しいままというわけにはいきません。
花束の場合は2～3カ月程度たのしめます。
繊細な花びらなどが痛まないようガラスのドームやボックスに詰められたプリザーブドフラワーになると、寿命は伸びて半年程度は生花の風合いが持続します。
ドライフラワー
「ドライフラワー」は、生花の水分をゆっくり抜いて、しっかりと乾燥させることで、お花の美しさをとどめる、昔から使われている手法でつくられています。乾燥しているので、水やりの必要もありません。このドライフラワーをインテリアとしてたのしめるようオシャレに束ねたものを「スワッグ」と言います。
スワッグは生花とドライフラワーを混ぜてつくられることもありますが、生花もお世話の必要がなく、キレイにドライフラワーになるお花がえらばれます。色のあるお花は乾燥した状態でも数カ月で色があせていきます。
また、乾燥しきっていない状態が続くとカビがつくことも。高温多湿の場所をさけてほこりなどをこまめにはらい上手く管理すれば、アースカラーのものは、風合いがあまり変わらず1～2年たのしめる場合もあります。
ハーバリウム
「ハーバリウム」は、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを専用のオイルにつけ込みガラス容器につめることで、お花をみずみずしく艶やかにたのしむことができる、最近、注目されているお花ギフトです。コンパクトで置く場所をえらばない可愛らしいプチギフトとして人気です。
もともとは、植物研究家がつくっていた研究用の「花標本」の手法なので、生花を材料としたお花ギフトの中では、かなり長持ち。
ただし、つかわれる花材とオイルの相性によって、色素がオイルに溶け出したりすることも。市販されているもので高評価のハーバリウムは、色落ちテストなどでしっかりと検証されていて、長いものですと2年程度はかわらぬ美しさが持続します。
生花の美しさを人工物で精巧に再現したお花ギフト
アーティフィシャルフラワー
いわゆる造花のことを「シルクフラワー」と言いますが、生花と見間違えるほどの緻密さで生花の美しさを再現したものを「アーティフィシャルフラワー」と言います。
人工物であるからこそ、生花にはできない芸術的なアレンジメントができて、絵やお人形などを飾るようにインテリアとしてながく飾ることができます。
以前は、お仏壇用のお花が多かったシルクフラワーですが、さまざまな素材の開発と加工技術の向上で、あらゆるお花をつくりだせるようになったことで、生花のかわりのお花ギフトとしてメジャーになりました。
また、光のエネルギーによって化学反応を促進する光触媒を素材に加えることで、抗菌効果や消臭効果などの高い機能をそなえたお花ギフトも増えています。
人工観葉植物
美しいお花を再現する技術が、「人工観葉植物」の分野にも生かされて、本物の観葉植物と変わらない見た目をもつ鉢植えも開発されています。
素材に光触媒も加えられていることから、インテリアとして置いておくことで、部屋の空気も清浄化される仕掛けもあり。
お世話いらずという便利さが魅力的で、「枯れない観葉植物」として評価が高まっています。
石けんでつくられた最新の枯れないお花ギフト
石けんを主な材料にしてつくられた造花ですが、シルクフラワーとわけて「ソープフラワー」や「シャボンフラワー」と呼ばれています。
特徴は、石けんのもつ香りがたのしめるので、実際のお花のように香りがあるということ。また、石けんでつくられた花びらのやわらかい風合いが生花によく似ていて、花束やアレンジメントのお花ギフトがあります。多くはフラワーヘッドをギフトボックスに詰めた形でプレゼントとしてつかわれています。
石けんとしての機能を残したソープフラワーや泡の入浴剤になるものもありますが、しっかり形を維持するためにコーンスターチなどを加えているため、洗浄効果が低く観賞することが目的のお花ギフトもあります。
ボックスに詰めた状態で湿気に気をつければ、3年程度、鑑賞することができます。その一方で石けんの香りは、1年ほどで消えていきます。素材が石けんなので、目で見てたのしんだあとは、お風呂に花びらを浮かべて、フラワーバスとしてつかうこともできます。
まとめ
いかがでしたか？
技術の発展によって、生花よりもはるかに長くたのしめるお花ギフトが増えています。
生花の加工技術はもちろん、以前は、生花には遠く及ばなかった模造品のお花のクオリティも高くなり、お花のプレゼントの種類も広がっています。
贈るお相手やシチュエーションによっては、生花よりも枯れないお花ギフトの方が向いている場合もありますから、想像力をふくらませて、最適なお花ギフトえらびをして下さいね。
新しいお花の贈り方を、たのしみながら
